新聞の創刊と廃刊
▼横浜・桜木町駅近くにあるUR都市機構の本社ビル敷地内に「日刊新聞発祥の地」と刻まれた記念
碑が建っている。現代版新聞の原型というべき活字1枚刷りの『横浜毎日新聞』が、明治3年12月8
日にこの付近で創刊されたのだという。記念碑は編集担当者1人、印刷担当者1人、資金協力者5人
の功績を称えて建立された。
▼碑には創刊号がプレートで貼られている。字がかすれている部分が多い上に昔の文章のため判読し
にくいのだが、少しずつ文章を追うと「外国船の入港・出港情報」「家具の競り売りのお知らせ」
「社長からのあいさつ」などが読み取れた。
▼UR住宅の居住者向け新聞(フリーペーパー)である『ザ・ニューキー』(発行・㈱団地通信)が
今年3月で廃刊した。週刊で各戸のポストに配布されていた同紙は1981年に創刊。1118回の
発行を重ねたものの、ついに約30年の歴史に幕を閉じた。経済情勢や時代の流れの中で「経営の先行
きを深く考慮した結果」だという。
▼最終号では、2人体制だった社員が連名で「残念」「申し訳ない」そして「ありがとう」とあいさ
つ。また関東各地区の自治協会長から「(URの事業を知るための)貴重な情報源だった」「記者魂
を感じていた」「住民の絆づくりに貢献していた」と、廃刊を惜しむ声が寄せられていた。
▼インターネット全盛の現代において、パソコンはもちろんスマートフォンの画面でニュースを見る
人も多い。新聞というビジネスモデルは「古い」という声もよく聞く。それが本当か否かはわからな
いが、一つの新聞が確かに消えた。この事実は重く受け止めたい。(東京・JI)