コラム

2008/05/30

ロケの撮影で話題づくり(茨城・MK)


▼この2、3年、テレビドラマや映画のロケ撮影が全国で最も多い都道府県をご存知だろうか。ロケーション撮影を支援する非営利公的機関「全国フィルム・コミッション連絡協議会」の調べによると、それは茨城県。県のフィルム・コミッション(FC)が設立された平成14年10月から20年3月までの5年半に誘致した作品は1369作品。19年度1年間では355作品、撮影延べ日数は1218日という

▼19年度に県内で撮影された主な作品は、映画では「ALWAYS続・三丁目の夕日」「西遊記」「旭山動物園物語・ペンギンが空を飛ぶ」など。テレビドラマでは「はだしのゲン」「交渉人」等。撮影場所は県庁舎や海岸、工場跡地が多い。現在も放映されているNHK大河ドラマ「篤姫」は、つくばみらい市にある歴史公園「ワープステーション江戸」でも撮影されている

▼なぜ、茨城県でロケが増えたのか。映像制作会社が集中する東京に近く、海もあり、川もある。古い建物も残っており、様々なシーンに対応できる適地が多く、県などが積極的な誘致活動を展開した結果だ

▼ロケ地となったことによる経済波及効果は、県の算出では19年度に約5億2000万円と決して多くはない。では、なぜ誘致に力を入れるのか

▼最大の狙いは、ロケ地という「話題づくり」。韓国ドラマ「冬のソナタ」のロケが行われた湫岩(チュアム)海水浴場や龍平(ヨンピョン)スキー場などが有名になり、観光客が押し寄せたように

▼何かと厳しい話が多い昨今、映画やドラマの撮影は、少しでも明るい話題になるだろう。波及効果の狙いとしては面白いところに目を付けた。(茨城・MK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら