コラム

2009/05/29

珪藻土壁で清々しい空気(茨城・TY)


▼取材で珪藻土壁による健康リフォームに取り組む老舗の左官会社・?根子左(茨城県水戸市)社長を訪ねた。自然素材の漆喰系珪藻土壁材で外壁、内壁を塗ったスタジオ(体感ハウス)を兼ねたご自宅。しばらく身を置くと流れる空気は何とも清々しかった。一般的な建材に使われている化学物質によるシックハウス対策とともに、珪藻土の性質、機能などについてお話しをうかがった後、体にやさしい珪藻土の活用法もいろいろと教わった

▼湿気の多い日本の家屋に石灰(珊瑚の化石)を原料とした漆喰が良いことは見聞きして知ってはいたが、薄塗りではやはり効果に限界があり、その弱点を克服してくれるのがどうやら珪藻土壁材のようだ。太古の昔、地球上が海だったころ海中に繁殖した珪藻。堆積して珪藻の殻が珪藻土になり、身の部分が石油になった

▼職人技できれいに塗られた壁。改めて実際に体感してみると、いかにも居心地の良い空間で、それとともに日本の伝統的な土壁の文化を大切に考えた家を知ることができた。家がカビれば人の体は自ずと不調をきたすのは自明の理。「高温多湿の日本では、できるなら夏を基準に家をつくりなさい」といわれた

▼プロの話に納得。日本の居住空間から「ドロマイトプラスター(土壁)が消えたのはわずか30年前のこと」らしい。人びとが安心して安全に暮らすための家づくりには、信頼のおけるプロの情報と知識がどうしても必要だ。取材を終え、帰社途中、車内ですがすがしさを感じたのは、珪藻土による浄化された空気だけではなく、社長が話す知恵に共感、感銘を受けたからだと気付いた。(茨城・TY)

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