コラム

2015/04/29

和の心のもとに(茨城・KS)

和の心のもとに


▼2018年度から小中学校で道徳の教科化が始まる。「道徳」という言葉を挙げると一部の政党や団体からは「価値観の押しつけ」といった意見が上がっているが、なぜ生まれ育った国、故郷を愛する教育に反対するのだろうか


▼戦後70年の節目、天皇皇后両陛下が戦没者の慰霊のため、パラオ共和国のペリリュー島を初めて訪問された。「亡くなった全ての人々を追悼したい」と日米の慰霊碑に献花。英霊の鎮魂と世界平和を切に祈るばかりである。なおパラオは日本統治下でインフラ、病院、学校を整備。このため日本に対する信頼は厚い


▼陛下のパラオ訪問と同時期に、日本各地の社寺で油がまかれる心無い事件が同時多発的に起きた。世界遺産である奈良市内の春日大社でも確認され、被害を受けた場所は4月11日現在で6府県の26カ所にも上っている。八百万の神々と共に英霊が祭られる聖域での極悪な組織的犯罪は、決して許されるものではない。このような事件を起こさせないためにも道徳は重要だ


▼天皇の慈愛を伝える逸話の一つに、「民のかまど」がある。人家のかまどから煙が上っていないことに気が付いた第16代仁徳天皇は、租税を免除し、老朽化している宮殿を改修しなかった。3年後、感謝した国民らは率先して宮殿の新築に取り組んだという。日本は古代から天皇と民が心を一つにして暮らしてきた国であるということを象徴する話だ


▼この神話のように、道徳が教えるのは普遍の〝和〟の心であり、偏向的な押しつけとは真逆だ。道徳をおろそかにしてきたからこそ、自国の政治に無関心な者が増え、選挙の投票率も低いのではないか。(茨城・KS)


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