コラム

2017/03/04

消えかける路面表示(山梨・TH)

消えかける路面表示


▼認知症や判断力が低下した高齢者の危険運転による交通事故が多発している。全国で発生した交通死亡事故のうち、65歳以上の高齢者が第一当事者の事故は全体の28%。過去10年間で最も高い水準となっている


▼事故原因は認知症の恐れや運動能力の低下などさまざまだが、果たしてそれだけなのか。最近路面標示が消えかけている箇所が多いことに気付いた。特に横断歩道や停止線、中央線、車線境界線。そのため道路全体にも危険が増え、高齢者だけの問題ではない


▼2012年4月に京都府亀岡市で登校中の児童の列に自動車が突入する事故が起きた。その当時から文部科学省、国土交通省、警察庁の3省庁が連携し、通学路の合同点検が全国に広まった。今でも多くの自治体が小学校の通学路点検を継続している


▼中でも対策が必要とされているのが「路面標示等の設置」である。毎年要望を続けても「予算が確保しづらく、整備が進まない。優先事項ではないということだろう」とPTAは諦め顔だ。路面標示は、免許取りたての初心者ドライバーにとっては、見落としがちな交通標識といえる。それが原因で警察に捕まるのでは到底納得できない


▼今後、山梨県はリニア新駅の誕生や東京五輪の影響で、外国人観光客の増加が想定される。自動車を運転する人もいるだろう。車両性能の向上により、区画線を認識する機能も早急に必要となる。高齢者や子ども、外国人にとって安全な道路にするためには、何をすべきか。一人一人の行動が大切になる。住民と建設業者が一体になり、自治体へ要望活動を行うことも必要だろう。(山梨・TH)


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