コラム

2017/03/09

県民性ではなくルール(茨城・KM)

県民性ではなくルール


▼小学校からの帰り道、信号の無い横断歩道が2カ所あった。スピードが出る場所なので、車が止まらないのは当たり前。万が一止まってくれた際には、横断歩道を渡り切ったあと、帽子を取って深々とお辞儀。「しっかりとお礼ができていて素晴らしい」と学校に電話があり、全校朝会で褒められたことも


▼しかし、基本的には「横断歩道で車は止まらない」との考えが染み付いており「一瞬の隙を突いて一気に渡る」をモットーに、程よい緊張感とチャレンジャー気分を楽しんでいた。横断歩道の歩行者優先を知った時は衝撃を覚えたが、その事実を忘れさせてくれるスピードで、何台もの車が目の前を通り過ぎていった


▼数年前、長野から水戸に転勤してきた同僚の車に同乗した際、歩行者が見えると全ての横断歩道で一時停止するので驚いた。「後続車は止まると思っていないので、逆に危ないかもしれないな」と思ったが、正しいのは一時停止である


▼驚いたのは横断歩道で止まる同僚の車にいら立ちを隠さず、クラクションを鳴らしたり右側から追い抜こうとする運転者がいることだ。新たな事故が起きそうで恐怖を覚えた。歩行者も横断歩道で車が止まるという経験が少ないため、止まった車を前に渡っていいものかと、ためらっているのが分かった


▼JAFが昨年8月に全国で実施した「信号機のない横断歩道」における歩行者優先実態調査で、一時停止率が最も高かったのは長野県。同僚の行動が県民性であると証明された形。しかし本来は県民性で片付けてはいけない。何県民であろうと日本全国どこでも横断歩道では歩行者優先がルールだ。(茨城・KM)


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