コラム

2017/03/23

人を惹(ひ)きつける活動(山梨・SA)

人を惹(ひ)きつける活動


▼地元の特産品や観光情報をPRする動画を、自治体のホームページでよく目にする。住む人たちが出演し、生の声でまちの美味しいものや名所を紹介している。画像を通じ来訪をPRする試みが著しい。PRはPublic Relationsの略。自らの望ましいイメージや事業内容を多くの人に知らせて、理解や協力を求める活動を指す


▼先日、山梨県富士川町と拓殖大学が連携し、まちづくりシンポジウムを開いた。内容は町に眠る名所や特産品を発掘し、学生が地域活性化につながる企画を提案する試み。まちの良さは、住民の視点では分かりにくいもの。外部からの〝よそ者〟が客観的な視点で探索し、思わぬ発見が観光資源を掘り起こす。提案が実行につながる可能性に期待したい


▼建設業界に目を向けると、国内の現場で働く技能労働者約340万人のうち、3分の1にあたる約110万人が今後10年間に高齢化で離職する可能性がある。土木の仕事や魅力を若者に伝える活動は急務だ


▼先日、山梨県建設業協会が主催する現場見学会が開催された。場所は南部町~身延町で進捗中の中部横断自動車道のトンネル工事現場など。参加した女子学生が最後に「土木の道に進みます」と述べた感想に関係者が安堵する表情が印象的だった


▼動画、町と大学の連携、現場見学会も多くの人に魅力を伝えるための活動だ。日本が迎える人口減少社会。門を開け放つだけでは人は来ない。内容のPRにより人は集まるもの。卓越した技能、貴重な産業を引き継ぐ人が途絶えてしまわないためにも、やりがいを感じさせるような地道なPR活動に注目していきたい。(山梨・SA)


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