コラム

2017/04/04

加齢と寿命を考える(埼玉・HS)

加齢と寿命を考える


▼ある日突然、背中の右側・肩甲骨の下付近に鈍痛を感じた。しばらく何もしないでいたが、10日経っても痛みが引かないので、近所の外科を受診した。レントゲンを撮った結果、骨には異常がなかった。医者が言うには「肋間神経痛、帯状疱疹(ほうしん)、腎臓結石のどれかでしょう。湿布薬を出しますので、様子を見てください」とのこと


▼湿布薬を貼ると少しずつだが痛みが引いているので、肋間神経痛の可能性が高いと判断した。ただし肋間(ろっかん)神経痛以外の可能性をインターネットで検索してみると肋骨脱臼、大動脈の炎症、狭心症、胸骨骨折などの記載があり、甘くみてはいけないと思った。50代後半という自分の年齢を考えると、どんな病気になっても仕方ないのかもしれない


▼思えば50歳を過ぎたころから、毎年のように医者にかかっている。耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、消化器科、外科などで、短期の検査入院も経験した。一口に加齢からくる病気ではないものもあるが、いろいろな病気になった。肋間神経痛の疑いと言われた病院では、小学校時代の同級生と出会った。ついに高齢者にありがちな病院友達も出現した


▼橋梁、公営住宅などの施設には長寿命化対策として、予防保全型の修繕工事を行う場合がある。古くなったものを壊して新しく造るのではなく、早めに少しずつ修理して施設を長持ちさせるものだ。もし、人間にも長寿命化対策の治療が可能となるなら、それはそれで受診に悩むだろう


▼人間の寿命は、公共インフラと違って単純にコスト縮減の理論だけで伸ばせるものではない。人それぞれに病気と寿命に対する考えはさまざまだ。(埼玉・HS)


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