コラム

2017/04/06

世界に誇れる日本の心(茨城・KS)

世界に誇れる日本の心


▼渦中の学校法人の小学校建設問題で取り沙汰された「教育勅語」。「孝行」「和」「謙遜」など12の徳目で構成されるが、そのどれもが人間の普遍的な心の道しるべである


▼アメリカでは、1980年代のレーガン政権時に教育長官を務めたウィリアム・ベネット氏が、教育勅語をお手本にして『The Book of Virtues(道徳読本)』を執筆。第二の聖書と称され、3000万部以上のベストセラーとなっている。また、イギリス元首相のマーガレット・サッチャー氏も、日本の道徳を参考にして教育改革を果たした


▼徳目の一つである「博愛」を象徴するエピソードが「民のかまど」だ。ある日、第16代仁徳天皇が高台から見渡したとき、どの家からも炊事の煙が立っていないことから「きっと貧しい思いをしている。都でこうならば、地方はもっとひどいはず」と3年間にわたって年貢の取り立てを中止。自身の住まいの損壊や衣服の古さを顧みず「民が豊かならば、私も豊かだ」とさらに3年間免税した。国民は感謝の心から、進んで宮殿の改修に取り掛かったという


▼一方、近隣の国家主席はどうだろう。国民が飢餓に苦しむ中、軍備増強ばかりに傾注し、ミサイル発射で他国を脅かす。独裁者の常とは言え、意に沿わなければ粛清も辞さない。徳目にある「遵法(じゅんぽう)」や兄弟の和を説いた「友愛」と真逆である


▼経歴や建設費の虚偽申告など、教育勅語を標榜しながらそれに反する言動や行動ばかりの某学校法人も同じ。万国に誇れる日本の道徳が汚れてしまうこと、そして連日の工事現場の放送による建設業のイメージダウンが心配だ。(茨城・KS)


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