コラム

2017/04/07

道路メンテナンスの促進を(山梨・MK)

道路メンテナンスの促進を


▼「長寿命化修繕計画に基づき、改築および修繕が予想されます。事業実施にあたり想定される課題は何ですか」。橋やトンネルなど道路構造物のメンテナンスを促進するため、国土交通省関東技術事務所が首都圏の12市町村にアンケートを実施。その結果が県道路メンテナンス会議で紹介された


▼課題として多かったのは、マンパワー(人手)が不足していること。工事だけでなく多くの業務を抱えている自治体職員にとって、工事の発注および監督に不安を抱えていることが明らかになった。過去の新設工事を経験した職員が退職してしまっているとの回答もあった


▼技術力が課題という声も多い。「発注、修繕に精通した技術者がいない」「点検業務・橋の修繕工事について職員に知識がない」などだ。「土木の分野で急に橋梁関係がクローズアップされ戸惑っている」という声もあった


▼予算の確保にも不安の声がある。交付金などを活用して改築や修繕を想定しているが財政部局の査定で圧縮されたり、「新設とは違って、修繕では新たな機能を生まない」と費用の必要性を理解してもらえないという現実を訴える声も出た


▼アンケートでは、各都県に設置されている道路メンテナンス会議に期待するものとして、講習会の充実、点検や診断などへ国や県の技術職員の派遣、交付金の満額交付が挙がった。財政当局は「道路は新設よりメンテナンスにシフトすることを理解している。点検が法令化されたことも大きい」という回答もあり、道路メンテナンスの重要性が広く理解され、少しでもこれらの課題の解決が進むことを望む。(山梨・MK)


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