コラム

2017/08/02

嫌いなものを好きに(茨城・TI)

嫌いなものを好きに


▼スポーツ庁が3月に公表したスポーツ基本計画で、施策目標の一つが話題となっている。運動しない大人を減らすため、自主的にスポーツをする時間を持ちたい中学生の増加(58・7%→80%)、スポーツが嫌い・やや嫌いである中学生の半減(16・4%→8%)を目指すというものだ。注目されているのはスポーツ嫌いの半減についてで、「強制しないでほしい」などと反発する声が上がっている


▼基本計画では「スポーツには競技としてルールにのっとり競い合い自らの限界に挑戦するものや、健康維持や仲間との交流など多様な目的で行うものがある」とある。競技であるスポーツには勝ち負けが存在するが、人との触れ合いも楽しもうということだろう


▼得手不得手があるのは仕方ない。学生であれば、勉強も好き嫌いがはっきり分かれる。克服しようとするかどうかは、個人の自由だ


▼そう考えると、学生だったときは運動が苦手で体育の授業が憂鬱(ゆううつ)だった一人としては、スポーツを好きになれと押し付けられることに拒否感を覚えてしまうのも理解できる。それが今では日常的にランニングや筋力トレーニングに取り組んでいるのだから不思議なものだ。夏に日焼けし、シャワーで痛がるのも慣れたもの。変わったきっかけは大学の先輩に「一緒に走ろう」と誘われたから


▼嫌いなこと、苦手なことを強制するのは難しい。ただ、嫌いなものが好きに変わるきっかけは、案外ささいなことだ。目線を合わせて、一緒に取り組んでみてはどうだろうか。とはいえ、暑い夏に無理をしては熱中症になりかねない。こまめな水分補給を忘れずに。(茨城・TI)


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