コラム

2017/08/09

おもてなしの精神忘れずに(茨城・HS)

おもてなしの精神忘れずに


▼「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が、ユネスコの世界遺産に正式登録された。申請していた8つの構成資産全てが登録され、関係者はホッと胸をなでおろしていることだろう。これで国内の世界遺産は、昨年に登録された国立西洋博物館を含め、21件(文化遺産17件、自然遺産4件)となった


▼世界遺産は、エジプトのヌビア遺跡が水没の危機に陥ったのを契機にその考え方が広がったと言われる。人類共通の貴重な遺産を保存し、後世に残していこうという崇高な理念だ


▼少し気の早い話だが、来年には政府が今年1月に推薦書を提出した「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の登録が審議される。この2件以外にも候補は多く、推薦の順番待ちをしている状態だ。水戸市の弘道館などの「近世日本の教育遺産群」もその1つ


▼世界遺産に登録されれば、その地域の知名度が上がり、観光客の増加に一役買うという側面もある。2007年に観光立国推進基本法が施行されて以来、外国人観光客は劇的に増えた。旅先で外国人を見かける機会が明らかに多くなったことでもそれを実感する


▼地方は彼らの取り込みに躍起になっている。一時期の中国人観光客による爆買いを目の当たりにすれば、頼りにしたくなる気持ちはよく分かる。観光庁の調査によると、訪日外国人のうち半数はリピーターであるという。観光にとってリピーターの存在は大きな強みだ。「おもてなし」が流行語大賞になったのは4年も前のこと。福岡県宗像市の人たちも、その精神を忘れずに観光客に接してほしいものだ。(茨城・HS)


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