コラム

2017/12/12

多様性を受け入れる社会に(茨城・KN)

多様性を受け入れる社会に


▼10月26日にプロ野球ドラフト会議が都内で開催された。注目の清宮幸太郎選手は7球団競合の末、日本ハムファイターズへの入団が決定。そのほか約80人の選手がプロの世界へ足を踏み入れた。個人的に目を引いたのは、広島東洋カープが3位で指名したケムナブラッド誠選手。アメリカ人の父と日本人の母を持つハワイ出身の22歳。活躍を期待したい


▼プロ野球選手に限らず、海外にルーツを持つアスリートは昔に比べて増えていると感じる。甲子園を沸かせたオコエ瑠偉(るい)選手や陸上のケンブリッジ飛鳥選手、柔道のベイカー茉秋(ましゅう)選手など名前にカタカナを含む選手の活躍が目に付く。個人的には、さまざまな名前の日本人が増えるのは良いことだと思う。国際化が進み、多様な価値観が同居することは歓迎すべきだ


▼一方で多様化が進む社会に現実の制度が追いついていない例もある。生まれつき茶色い髪の生徒に対して黒染めを要求する学校の対応が一時話題になった。が、本来生徒を守るためにあるはずの校則が生徒の心身を傷つけてしまうようでは本末転倒ではないだろうか


▼黒髪、黒い瞳が普通の日本人という常識は既に過去のものだ。いや、そもそもそのような常識などなかったのだろう。日本に生まれつき茶色の髪や縮毛の人がいなかった時代などないはずだ


▼そもそも古(いにし)えより日本は八百万(やおよろず)の神々を信仰し、他国から渡ってきた仏教を受け入れるなど柔軟な価値観を持っていたはずだ。狭い価値観で生まれついた容姿を否定することは、日本人らしさの否定とも言えるのではないか。日本には多様性を受け入れる寛容な国であり続けてほしい。(茨城・KN)


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