コラム

2018/03/07

歴史に残る仕事(埼玉・YM)

歴史に残る仕事


▼本棚を眺めていると大学受験時に使っていた日本史の参考書が目に留まった。当時日本史が好きで受験範囲外の知識まで勉強していたことを思い出す。参考書には古代から現代まで載っており、欄外には当時のメモ書きが散見できた


▼参考書に載っている人物、出来事、文化などは日本を築いてきた代表例として詳細に紹介されている。参考書や教科書に掲載されるというのは、ある意味で日本代表のようなもので、とても名誉なことかもしれない


▼一方で教科書に掲載されないこともたくさんある。むしろ、そちらの方が多いはずだ。江戸期まで米で経済を支えた農家や家屋、城、道路、橋梁の建設に携わった職人など挙げたらきりがない。彼らもまた一生懸命に生き抜いて日本を築いてきた日本代表に違いない


▼建設業界の就職面接や説明会でよく自分が関わった建物が地図に残るという魅力的な言葉が出てくる。自分の仕事が地図に残るなんてワクワクする。それが後々歴史的な建築物になれば、携わった人間として誇らしくなる。建設業界に限らずさまざまな業界において何かを残せるというのは、自分が生きた証だろう


▼人と同じように建物は生きている。使えば使うほど汚れたり壊れたりして修繕が必要になるが、それが味となり歴史になる。参考書や教科書に名前が載らない人物や建物にもそれぞれの舞台で歴史に残る価値があったと思う。現代は職業選択が自由となり個人に合った職業で活躍・発信する機会が増えている。この機会を生かして教科書や参考書に名を残す仕事を目指すぐらいの目標を持って仕事に取り組みたい。(埼玉・YM)


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