コラム

2018/03/15

出会いは意外なところに(新潟・CY)

出会いは意外なところに


▼野菜の高騰が続く。例えば白菜。2月末には最寄りのスーパーで4分の1カット268円。例年もっと大きな一玉が400円ほどだった。昨秋の天候不順の影響だ


▼雪がドカッと降ると、頼りになるのが鍋物。帰宅後の限られた時間に材料をザクザク切って土鍋に放り込み、火を通す間に雪かきをする。この冬は野菜が高く、雪もどっさりのダブルパンチ。比較的価格の安定している根菜類やモヤシ、ニラなどでしのいだ


▼そんな中、ふと鮮魚コーナーのポップが目に留まった。「葉物野菜が高い!そんなときはワカメです」。ワカメといえば汁物やサラダ、あえ物にとよく利用するが、葉物野菜の代わりという発想はなかった。さっそく鍋物に使うと、ほんのり磯の香りがして楽しめた


▼調理が簡単なのもありがたく、探せばレシピがどんどん出てくる。食物繊維、ミネラルが豊富で、腸内環境を整えて血液もさらさらに。代謝向上も期待できる。塩蔵・乾燥と保存がきき、古くは朝廷の献上品で「給与」だった記録も残る


▼冬季オリンピックの熱気冷めやらぬ韓国では、国民一人当たりの年間消費量は日本の3倍。誕生日の定番メニューはワカメスープだ。留学生に見せてもらったことがあるが、どっさりのワカメでスープが見えないほどだった。産後は1カ月間毎日食べる習慣があり、母親への感謝を込めて誕生日にも食べるそう。そんなワカメは世界的には使い道のない海藻として廃棄されてきた。やっと近年、健康志向で見直されつつあるという


▼鮮魚コーナーでの意外な再発見、ワカメはこれからが旬だ。生ワカメが店頭に並ぶのが待ち遠しい。(新潟・CY)


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