コラム

2018/04/18

ゴムのように柔らかく(茨城・TI)

ゴムのように柔らかく


▼昔から、時間を見つけては柔軟運動にいそしんでいる。風呂上がりのほか、ランニングやトレーニング後のクールダウンとしても行っている。それこそ始めたきっかけは覚えていないほど前のこと。いつの間にか日課となっていた


▼実のところ柔軟運動による効果を深く理解しているわけではない。体の凝(こ)りの解消、血流の改善など、思い付く理由は数多くあるが、個人的にはけがの予防を推したい。筋肉の柔軟性と関節の可動域が広がることで、防げるけがも多いはずだ


▼よく耳にする俗説に「お酢を飲むと体が柔らかくなる」というものがある。科学的根拠は無いとのことだが、血流が良くなるため凝りが解(ほぐ)れると、間接的には効果があるという。うわさ話で、サーカスの人はお酢を飲むことで体を柔らかくしていると言われるが、これは迷信とされる。聞くところによると、大所帯で生活するため、お酢などをまとめ買いする姿が目撃されたことによる勘違いだとか。それはそれで、少し残念に感じてしまう


▼地震の多い日本において、建築物の堅さ・柔らかさとはどうあるべきか。ブレースなどによる耐震補強で堅く頑丈にする一方で、柔軟性も必要ではないか。しかし建築物にお酢を飲ませることはできず、日ごろから柔軟運動をさせておくわけにもいかない。やはりダンパーなどによる免震や制震が柔軟性に相当するのだと思う。柔構造と剛構造の論争はあったが、簡単に答えが出る問いではない


▼いっそのこと、ゴムのように柔らかい家に住むことができれば、地震による倒壊などは減るのかもしれない。こうした空想が現実になる日を期待したい。(茨城・TI)


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