コラム

2018/04/20

日本一の星空ナイトツアー(埼玉・SW)

日本一の星空ナイトツアー


▼環境省の2006年度の全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)夏期観察で、星が最も輝いて観(み)える場所の第1位に選ばれた長野県の南部に位置する阿智村。『消滅可能性都市』のリストにも入っている阿智村が、日本一の星空ナイトツアーで話題となっている


▼人口6500人程度の小さな村は、何もないことを逆手にとって、美しい星空を堪能できるツアーを12年に始めた。初日の一般参加者は3人だったが、口コミで評判が広がり、初年度は6500人が訪れた。その後、満天の星を求めて15年には6万人が訪問、多い時には一晩で2000人以上もの観光客が訪れるという


▼星が日本一きれいな村という売り出しだけでは村にお金が落ちにくいため、ゴンドラを使用してツアーを実施。ツアーの参加費用はゴンドラ往復料金、ガイド料などを含んで大人2200円、小中学生は1000円。ゴンドラは元々あるものを使用、山の上に移動した上で電気を消すという見せ方を工夫するなど差別化を図っている


▼またカレー専門店『大原屋』監修の星降る森のカリーや阿智村をイメージした2種類の地酒、チョコクランチ、クリアファイルなどのお土産も取りそろえており、光鮮やかな思い出に花を添えてくれることだろう


▼少子高齢化により全国的に人口減少は避けられそうもなく、いかに人口流入を増やし流出を防ぐかが大きな課題。また観光資源活用や特産品購入などにより収入を増やしていくことがまちの生き残りにつながってくる。地方自治体の存続という観点からも、日本一の星空ナイトツアーは興味深い。(埼玉・SW)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら