コラム

2018/06/13

紙媒体と電子媒体(埼玉・YM)

紙媒体と電子媒体


▼20年前の通勤電車内では本を読んだり新聞を半分に折って器用に読んでいる人が多かったように思う。しかし現在は、そのような景色が一変しスマートフォンを見ている人が大半を占めている印象を受ける。インターネットが身近になり電子書籍が普及し始めた結果ともいえる


▼電子媒体の普及により、紙媒体は淘汰されつつあるという見解がある。情報検索すれば回答を瞬時に表示し、かさばらない、重くないなど紙媒体にはないスマートで便利な使用感が多くの人に支持されている理由だろう。経費削減になるとしてペーパーレス化を推奨している企業も少なくない


▼「本が無ければこの世は闇」と第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンは言い残している。歴史を筆頭に知識や学問などは古代から紙媒体によって連綿と継承されている。また物理的に保管できる点で後世に残りやすく社会に対する責任が重いことから、時の権力者が焚書(ふんしょ)するほどだ。紙がなければまさしく何も分からなくなる


▼人間が人間として確立している要因は知識欲の連鎖ではないだろうか。新聞、雑誌、書籍などジャンルは違えど知識を得られる点では価値があり同類だろう。それは媒体が紙であろうと電子であろうと同じことが言える。知識を蓄積する過程でどの媒体を選択するかはその個人の環境や相性によるところが大きい


▼個人的には知識の記録・閲覧なら電子媒体、記憶・発信には紙媒体が最適だと感じている。両媒体を過不足なく取り入れ、すみ分けることで知識の幅も質も広がる。知識欲の連鎖は、まだ見ぬ世界を照らしてくれるかもしれない。(埼玉・YM)


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