コラム

2018/06/16

グリム童話と除雪(新潟・TN)

グリム童話と除雪


▼とにかくことし年の冬は雪が多かった。1月は北陸地方を中心に記録的な大雪となった。今住んでいる新潟市も8年ぶりとなる積雪80cmを観測。雪に慣れているとはいえ、生活は混乱を極めた


▼先日、国の出先事務所の仕事を中学生が学習する機会があり取材に出向いた。事務所の担当者は、新潟県内の道路を大型モニターで監視していることなどを説明。また除雪についても「私たちが寝ている間に除雪を行っている」との話もしていた


▼寝ている間に作業していると言えば、こどものころに読んだグリム童話の「小人と靴屋」を思い出す。…というのは嘘でドラえもんの漫画にこの話が載っていたので、あらためて調べてみた


▼この童話は、一生懸命働いても貧乏な年老いた靴屋が、ある朝起きたら自分では作っていない立派な靴ができていたというくだり。そんな日が何日も続いたため、その靴を売ったらお金持ちになれたという話だ。後日、小人がこっそり靴を作っている姿をのぞき見て知った靴屋は、小人に小さな服と靴を作ってあげたとのこと。靴屋も小人も最初は見返りを求めていなかったが、両者ともにハッピーになり、とても心温まる内容となっている。ちなみにグリム童話とは、ヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が編纂し、1812年に初版第一巻を刊行したドイツのメルヘン集


▼寝ている間に除雪を行っているということを、グリム兄弟が当時聞いたらどう思うだろうか。除雪をメルヘンタッチで描くというわけではないが、建設業者がこのような作業も行っていることを、若い人に伝えることは大切だとあらてめて感じた。(新潟・TN)


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