コラム

2018/07/03

二刀流で生産性向上も(埼玉・UT)

二刀流で生産性向上も


▼ことしは「二刀流」という言葉を聞く頻度が極端に増えた。両手に一本ずつの刀を持って戦う宮本武蔵が有名だが、同時に二つのことを行うという意味で、投打に大活躍しているアメリカメジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の動向が連日のように伝えられた


▼異論はあるかもしれないがショウヘイ・オオタニフィーバーは、1995年にドジャースの野茂英雄氏が巻き起こしたトルネード旋風以来の衝撃といえるのでは。野球の神様と称されるベーブ・ルース氏が2桁勝利&2桁本塁打を達成したのは1918年。大谷選手が今シーズン達成すれば、ちょうど100年ぶりの快挙となる


▼スポーツの世界に限らず、二つのことを同時に行っている人に対して、しばしば批判が寄せられることがある。一つのことを極めるのも難しいのに、ましてや二刀流などといった考え方に基づいて論が展開されるケースが多い。知識と経験が不足しているため、どちらが正解なのかは分からない。ただ大谷選手の場合は批判を封じ込めるほどの実績を残している


▼多能工という言葉がある。建設業の場合、施工現場などで一人が一種類の職務だけを受け持つのではなく、一人で複数の職務をこなす人材を指す。業種によっては、あえて定義しなくても自然と導入されているケースもあるのではないか。また独自に取り入れて成長してきた建設会社もある


▼国土交通省は2018年度にモデル事業を実施して多能工を積極的に支援するという。建設現場の生産性向上が待ったなしと言われている今、ICT施工に加えて、本格的に検討する要素に思えてならない。(埼玉・UT)


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