コラム

2018/10/17

働く仲間を大切に(東京・KK)

働く仲間を大切に


▼ピロリロリン、ピロリロリン。東京・霞が関にある総務省に入ると耳慣れない音とともに不思議な物体に遭遇する。その正体は大手警備会社が開発した自律走行型ロボットで、主に省内の警備や案内役を担い、画像の録画や顔認証の機能もあるという。悪さをするつもりは毛頭ないが、相対すると少しだけ緊張感が走る


▼ところが初対面から数カ月経って見慣れてくると、かわいらしく思える。今日はいないのかと周囲を見回すと警備室の脇でじっとしている。どうやら充電中らしい。バッテリーの残量を認識し、充電装置で自ら充電するそうだ


▼警備ロボットは世界で巨大な市場規模があるとされる。警備員の高齢化対策や安全確保を図る観点から、最近は日本でも有名な商業ビルやテーマパークなどで活躍している。今後は至るところで日常的に接する機会が増えるだろう


▼技術の進歩によりロボットは以前に比べて身近な存在になった。産業用から家庭用まで幅広い種類が開発され、仕事の役に立つほか、ペットのように家族の一員として扱われる場合も多い。建設業界でもインフラ点検、災害対応などでロボットが活躍し、ICT建機による施工はさらなる拡大が見込まれる。また製造業はもとより医療や介護、農業など、あらゆる産業に対応したロボットが次々に現場へ投入されている


▼人口減少と少子高齢化が進む中、文句も言わず真面目に働くロボットが働き手として重宝されるのは時代の流れ。ただ過度な依存は禁物だ。ロボットも万能ではなく、酷使すれば悲鳴を上げる。共に働く仲間として大切に扱い、助け合う姿勢を忘れてはいけない。(東京・KK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら