コラム

2018/11/07

季節の変化を知る指標(群馬・YY)

季節の変化を知る指標


▼取材先からの帰り道、歩道の街路樹に目が留まった。黄金色に染まったイチョウの葉が夕日に照らされている。信号待ちの間、しばしその風景を眺めつつ、あらためて秋の深まりを実感した。春に咲くハナミズキの花や新緑が鮮やかなケヤキなど、身近な街路樹は季節の変化を知る一つの指標となっている


▼昨年まで生活していた東京では、駅構内の七夕飾りやハロウィーンを楽しむ人々の姿、クリスマス商戦へ向けた百貨店のショーウインドーを眺め、世俗の動きから季節の変化を感じ取っていた。群馬へ移ってからは、田んぼから聞こえるカエルの声や山々の色づき具合、空っ風と呼ばれる季節風など、指標が徐々に自然へと回帰している


▼今年は関東甲信越地方で6月中の梅雨明け発表や西日本を中心に甚大な被害をもたらした豪雨など、異例とも言える気象状況が続いている。また、7月には埼玉県熊谷市で観測史上最高気温となる41・1度を記録。熱中症での救急搬送者数が7万人を超えるなど、毎年のように続く猛暑への対策も重要な課題となっている


▼社会に大きな影響をもたらす地球規模での自然変動。近年はその極端さが際立つ。世界各地で環境負荷低減に向けた取り組みを進めているが、災害発生のリスクなど、将来への不安は尽きない。このような中で、四季を通して多種多様な変化を見せる木々を眺めていると心が休まる


▼単調な風景に彩りを添える街路樹。車で走るとそのせん定や下草刈りに従事する人の姿を見かける。維持作業への努力に深い感謝の念を抱きつつ、間もなく現れるであろう冬景色を頭の中に描いた。(群馬・YY)


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