コラム

2019/01/08

変わる時代、変わらぬ使命(長野・EM)

変わる時代、変わらぬ使命


▼本年4月30日に平成の時代が幕を閉じる。「へいせい」という言葉の響きとは裏腹に阪神・淡路大震災や東日本大震災という歴史的大災害に見舞われた。一方で復旧・復興へとひたむきに、たくましく生きる人々の姿も強く印象に残っている


▼日本漢字能力検定協会が1年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」。昨年の一文字が「災」に決まったことは記憶に新しい。平成7年(1995年)の開始以来、16年(2004年)に続き2回目。この年は度重なる風水害や新潟県中越地震が発生した。ちなみに阪神・淡路大震災の7年は「震」、東日本大震災の23年(11年)は「絆」


▼社会資本の整備を担う建設業は、地域貢献という点で最も目に触れやすい産業の一つと言える。何もないところから土地を測り形を決め、道路を造り建物を建てる。公共事業であれば、それは誰もが恩恵を受ける。そして一度災害が起きれば、一日も早く住民の日常を取り戻すべく昼夜分かたず復旧に当たる


▼災害時、テレビからは颯爽(さっそう)と被災地に乗り込む自衛隊の姿が繰り返し流れる。しかし、彼らが引いたその後で、黙々と復旧に当たる者たちが茶の間に映し出されることはない。流した汗の量を知っているのが、おてんと様だけだとすれば、それはあまりにも悲しい。10数年前、小欄で訴えた思いは今も変わらない


▼文字通り時代が変わる。子どもがスポーツ選手や先生を夢見るように、親が公務員を薦めるように、崇高な使命を課せられた建設業がそんな存在となるいつかに思いを馳せる。皆さまの声を紙面にしっかりと刻むべく、年の初めにあらためて襟を正す。(長野・EM)


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