コラム

2019/04/03

だから高打率を残せるのか(茨城・MK)

だから高打率を残せるのか


▼日米プロ野球の公式戦が始まった。新戦力などが話題になる中、米メジャーリーグで45歳で現役を続けていたイチロー選手が注目されていた


▼イチロー選手といえば、巧みな打撃術でヒットを打つ印象がある。しかし意外と多いのが内野安打。野手の間にボテボテの打球を転がし、俊足を生かして一塁に駆け込む。打球が詰まって野手の間に落ちるポテンヒットも多かった


▼ある時、同僚選手が聞いた。わざと詰まらせて打つ場合もあるんですかと。答えは「あるよ」。打席で追い込まれた際、内角の球をカーンとライトに引っ張ってファウルを打っても、投手は何とも思わない。詰まってグシャッとなって、それがヒットになる。これが投手にとって嫌なことなんじゃないのか。投手に一番ダメージを与えられる打球をいつも考えていると


▼問いかけた選手は目の前の霧が晴れた思いがしたという。バットの芯で打つのが一番きれいと思っていたからだ。打者にとって嫌で恥ずかしいことは、詰まらされること。しかし投手が「打ち取った」と思った打球がセーフになる。良い打者は「いいところに落としてナンボ」と考えると聞いたことがある。そんな打撃ができるイチロー選手が高打率を残してきたこともうなずける。質問をした選手は、時と状況によっては打ち方を変えなければと言っていた


▼野球は相手投手を攻略し、点数を入れて勝利を目指す。しかし相手もプロ。本塁打やきれいな安打をいつも打てるわけではない。ボテボテの当たりや四球、盗塁、犠打などで攻略に掛かる。そんな打撃にも注目して今シーズンも観戦を楽しみたい。(茨城・MK)


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