コラム

2019/04/04

子どもの憧れとして(群馬・YT)

子どもの憧れとして


▼子ども向けの建設現場見学会や重機の試乗体験を取材するときに必ず目にするのは、重機を見て興奮する子どもたちの姿。中には、重機がいかにかっこよく魅力的であるかを熱心に話してくれる子どももおり、思わず笑みがこぼれてしまう。ショベルカーのバケットいっぱいに土をすくい上げる姿を見る子どもたちは、まるでテレビのヒーローを目の前にしたかのように歓声を上げる


▼土を積み上げトンネルを掘る。堤防を造り水をためる。線を引いて道をつくり車を走らせる。幼稚園児などがする砂場遊びの多くが、規模は小さくても立派な土木工事。普段の遊びの規模を何百倍も大きくした実際の建設現場と重機に目を輝かせるのも納得できる


▼百聞は一見に如かずの言葉どおり、目にすること、体験することには大きな意味がある。子どものころの喜びは原体験となっていつまでも残るもの。中にはその時感じた憧れのまま建設業を職業として選ぶ子どもも出てくるだろう


▼一方で、建設業の担い手不足は年々深刻化している。高校生の就職に対する悩みで大きいものとして挙げられるのは、コミュニケーションに対する不安だ。どの業界であってもコミュニケーションは仕事の基本。従来言われる3Kのイメージの「きつい」は、肉体的なきつさよりも昔かたぎの「見て覚える」といった精神面でのきつさを捉えているように思える


▼建設業に植え付けられたイメージを払拭するためにさまざまな取り組みが進められているが、一朝一夕で消えるものではない。子どもたちの憧れを裏切らないためにも、改善の歩みを止めてはならない。(群馬・YT)


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