コラム

2019/04/05

ありがとう、言えてますか(埼玉・YM)

ありがとう、言えてますか


▼世界各国どこに行っても人に感謝の意を伝える言葉が存在する。例えば日本語なら「ありがとう」、英語なら「Thank you」、中国語なら「謝謝」が一般的だろう。そこで「ありがとう」がなぜ感謝の意味を持つのか疑問を持ったことがある。専門家による諸説が多々あるらしいが、自分なりに考えてみた


▼「ありがとう」は漢字で「有り難う」と書く。つまり「有ることが難しい=滅多にない」という意味になる。滅多にないことだから、感謝の意に用いるのではないだろうか。戦国時代や江戸時代などの小説を読むと「有り難き幸せ」と見ることがある。「滅多にないこと(をしてもらい)幸せです」と言った意味合いではないだろうか


▼現在は「幸せ」などの語を省略した形で使用しているが、「ありがとう」の言葉のみでは、形式的なあいさつになりがちで、本当の意味で感謝の意を相手に伝える言葉になっていない気がする。形骸化した言葉にならないためには、気持ちや心を乗せる必要があるように感じる


▼「滅多にない」の反対語は「当たり前」となる。風邪を引けば健康の大切さが身に染みて分かるし、お腹が空けばご飯の大切さが分かる。普段当たり前に思っていることを実は有り難いと感謝することが、言葉に心を乗せる第一歩といえる


▼人の字は「支える側」と「支えられる側」で構成しているように、人は一人で生きていけない。また「支える側」も誰かの「支えられる側」に過ぎない。普段支えてくれる人の存在を「当たり前」と考えてはいけない。支えてくれる人の存在は有り難く、心の底から「ありがとう」と感謝したい。(埼玉・YM)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら