コラム

2019/04/09

教育機関で出来ること(新潟・SS)

教育機関で出来ること


▼4月から工業高校の電気科に通う友人の息子、将来は父親と同じ電気技師を目指すという。なんとなくうらやましい


▼厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況(2018年10月)によると、就職後3年以内の離職率は高卒39・1%、大卒31・8%となっている。建設業の高卒離職率(17年)は47・7%と2人に1人が辞めてしまうという残念なデータ


▼土木施工管理技士試験では河川、道路、橋梁、港湾、鉄道、上下水道とさまざまな工種から出題されるものの、監督として多様な工種を経験する人はまれで、多くは就職した会社の専門性や建設業における経験の重要性から同様な工事を繰り返すことになる。土木に比べお洒落で華やかな印象もある建築も、個人住宅と公共建築物、設計と施工管理では仕事の内容は大きく異なる


▼文部科学省の学科系統分類によると、工学部の土木建築工学に分類される学科は73もあり都市環境工学や社会環境工学など名称だけでは土木系なのか建築系なのか分からないものも。工学部は習得する技術や資格を生かして就職する場合が多く、研究室のOBや教授から就職先を紹介してもらうことも多いので、選択した学科や研究室で職種が絞られてしまう。その学科や研究室を選択する時点で自分がどんな仕事をするか明確なビジョンを持っている人はどのくらいいるのだろうか


▼建設業では若者の定着率向上に向けさまざまな取り組みを行っているが、教育機関でも建設業にさまざまな専門性があることを認識し、選択した学科や研究室が将来のビジョンと合ってないと気づいたら、気軽に変更できる仕組みも必要だと思う。(新潟・SS)


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