コラム

2019/04/17

これからこれから(山梨・OS)

これからこれから


▼生きていれば「最悪だ」と思うこともたまに起こる。大切なのはその時の捉え方。長い年月で見てみれば、あの時期が良くなかったのは幸せの前触れだったということもある


▼弊社の経理をしているある女性は毎年元旦に子どもを連れて初詣に行くそうだ。ことしはその女性の妹と3人で神社へ。お参りの後いつもおみくじを引くのだが、ことしはその子が初めて凶を引いた。本人はがっかりというより、確率的には低いであろう凶を引いたことにびっくり。2人の大人はその後必死にその子を励ましたという


▼ただ凶も捉え方次第。これ以上下がることはない、上るだけの人生を楽しみなさいと考える人もいる。引く確率は神社によってまちまちだが、1割から多いところでも3割程度。見方を変えればそれを引き当てた強運の持ち主ともいえる。経理の人にしてみれば中途半端な運勢ではなかった故に子どもとの良い思い出ができた


▼2018年度は山梨県内のあちこちの役所で「最悪」という言葉を聞いた。道路整備に充てる交付金の付きが悪く担当者はぼやく。18年末の補正予算でハード事業費を8億円以上減額した自治体もあった。「麻生財務大臣に陳情に行かないあの人のせい」「国とのパイプが弱く予算を持ってこられない」と戦犯に挙げられた人物もいた


▼ただその人はもういない。新たなリーダーが国との連携強化をうたう。これから山梨ではリニア駅とその周辺整備、道半ばの環状道路の整備など、県の隆盛につながるであろう大型事業が控える。最悪といわれた状況から上り調子へ。いきなり大吉とは言わないが期待は高まる。(山梨・OS)


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