コラム

2019/06/12

雑草の2度目の開花は(茨城・HS)

雑草の2度目の開花は


▼プロ野球・巨人の上原浩治投手が、シーズン途中での引退を表明した。現役生活21年。日米通算「トリプル100」(100勝100セーブ100ホールド)を達成。国内では4度のリーグ優勝に貢献。米国では日本人初のリーグチャンピオンシップとワールドシリーズの胴上げ投手になった


▼ひいき球団の投手ではないが、テンポの良い投球スタイルで、好きな投手の1人だった。ルーキーイヤーの1999年、チームメートが本塁打王争いをする中、競い合っているバッターをベンチからの指示で敬遠。その時、マウンド上で上原投手は悔し涙を流す。今でも忘れられないシーンだ


▼そんな上原投手も高校生時代は控え投手で甲子園とも無縁だった。大学生になってようやく注目を浴びるようになり、ドラフト1位で巨人に入団。1年目のシーズンから20勝を記録し、投手の主要タイトルを総なめ。同じ年には自身の座右の銘『雑草魂』が流行語大賞に選ばれる


▼2009年からは活躍の場を米国に移し、主に抑え投手として現地の野球ファンを沸かせた。そして昨年、巨人に復帰。オールスター戦に出場して最年長登板記録(43歳2カ月)を更新した。しかし、ことしは一度も1軍に上がることはなかった


▼引退会見で上原投手は、冒頭から熱い涙を見せた。さらに「もうちょっとやりたかった」と素直なコメントも。上原投手からは本当に野球が好きだという気持ちが伝わってくる。次の人生はまだ考え中と言うが、これだけの実績があれば指導者や解説者など引く手あまただろう。果たして雑草は2度目にどんな花を咲かせるのだろうか。(茨城・HS)


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