コラム

2019/08/06

そのツケがこれから(山梨・OS)

そのツケがこれから


▼毎日通る道路なのに、なんだか気持ちがいい。子どものころ床屋で顔そりをしてもらったときのよう。なんだか自分が一皮むけて〝新品〟になったようで、うれしくて。しばらくツルツルになった頬をなでていた。この道路の走り心地もそんな感覚だろうか


▼舗装も道路線もきれいにリニューアル。以前がガタガタでひどい道だったわけではないが、もし穴が空いて車輪が落ちたら大事故を招く可能性もある。道路はいつでも安全に走れるもの。それが当たり前の世の中だ


▼ガソリンや自動車にかかる税金を道路整備に充てる、道路特定財源が廃止されて10年がたつ。道路に使うお金は道路を使うドライバーが払う、という実に理にかなったものだった。ある程度道路整備が行き渡ったから用途を広げようと一般財源化されたが、これが大きな間違い。ものは壊れるし時代の流れに沿って変化も求められる。行き渡ったからおしまいではない


▼何十年も渋滞し続けている場所もある。毎日、渋滞情報で流れる箇所は同じだったりする。もし壊れなかったら、先に手を打っておけたらと思う大事故も老朽化が進むにつれ増える。国の懐事情が厳しいから、財布の仕切りをなくす。だが流通網は経済発展の根幹。老朽化で使い勝手が悪くなればその損失は大きい


▼ようやく本格化してきた国土強靱化。道路以外に用途を広げるにしても、そうした人に役立つコンクリートへの投資に絞るべきだった。人知れず山奥で人々の暮らしを守る砂防堰堤。河川決壊を防ぐ護岸。ハード対策だけでは無理なことは承知。だがもし壊れなかったら被害を軽減できたのも事実だ。(山梨・OS)


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