コラム

2019/08/07

ネコノミクスに思う(茨城・KS)

ネコノミクスに思う


▼「猫ブーム」になって久しい。テレビでも、インターネットでも、現実世界でも、ネコを見ない日はない。かく言う自身も、ネコとの生活を絶やしたことがない愛猫家としてはうれしい


▼一般社団法人ペットフード協会の2018年度犬猫飼育実態調査によると、飼育されている数はネコが964万9000匹で、イヌが890万3000匹。17年度に続いてネコがイヌを逆転した


▼そんなネコ人気の高まりを受け、茨城県行方市の老舗建設会社がこのほど、近隣の神栖市に猫共生型の賃貸住宅を建てた。木造2階建て1LDK8室のアパートで、天井付近に高所を好むネコ用の通路「キャットウオーク」、そこに上るための踏み台となる「猫棚」、換気扇が付いたトイレスペース、ネコ用小窓など至れり尽くせりである


▼鹿児島県の奄美大島では、世界遺産登録に向けた「ノネコ管理計画」が波紋を呼んでいる。野生化したネコを捕獲し、1週間で飼い主が見つからない場合は殺処分するというもの。目標は年間300匹で、期間は18~27年度の10年間。理由はネコが希少種であるアマミノクロウサギを食べ、生態系を崩しているため。しかし実際には、クロウサギは近年増加傾向にあり、死因第一位はわれわれが起こす交通事故だという。そもそも虐殺を経て認定された世界遺産など誇らしくも何ともない


▼その野ネコも、もともとは人間が原因。身勝手な人間のせいで殺処分となるネコは全国的に後を絶たない。「人気があるから」「かわいいから」「憧れのタレントが飼っているから」。軽い気持ちで重い命を預かるのはどうかやめてほしい。(茨城・KS)


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