コラム

2019/10/10

私の物じゃないけれど(埼玉・MK)

私の物じゃないけれど


▼車が欲しいけど買えない。大学生のころは、車で通学している学生たちをうらやましく思っていた。自明であるが車は高い。比較的安い軽自動車でも乗り出し価格で100万円台後半はかかる。一括で買う貯金などない。ローンで買うのは、なんとなく不安。そんな人にぴったりのサービスを発見した。カーシェアだ


▼ヨーロッパからアメリカを経由して、日本に広まったらしい。利用料金はおおよそ15分で200円程度。300円で保険も付けられる。休日の買い物やちょっとしたドライブにうってつけだ。4000円ほどで6時間借りられる長時間パックもある。レンタカーよりも心理的な壁が低い。地元へ帰省する際に利用してみた結果、個室移動の快適さに脱帽させられた


▼車だけかと思いきや、電動アシスト自転車のシェアサービスも登場した。利用料金は15分で70円ほど。会員登録後はスマートフォンアプリから予約して乗る。地図上で空きの確認もできる上、提携駐輪場に乗り捨てもできる。「便利な時代になった」そうつぶやいた利用者は少なくないはず


▼若者の車離れが叫ばれて久しい。国内の自動車販売台数は各社とも減少している。買わなくても車には乗れる。近場だけなら公共交通機関でも事足りる。電動アシスト自転車も優秀だ。そんな時代に車を売る仕事は大変だろう。シェアサービスは車や自転車が担う役割である「移動」そのものを抽出したことで成功している


▼常磐自動車道であおり運転の末に捕まった男女。代車なら問題ないと思ったか。車を運転する以上、常に責任感を持たねばならない。自分の車ではないとしても。(埼玉・MK)


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