コラム

2020/01/17

台風から見えた教訓(山梨・HI)

台風から見えた教訓


▼10月の台風19号の残した爪あとは大きく、山間部で法面や道路が崩落し、河川では橋脚を押し曲げ、路面にくの字型の段差が生じる事態となった


▼取材で自治体を訪れると、作業着姿に小走りで公用車に乗り込む職員を目にする。話を聞くに、今回は大小問わず、被害件数がかなり多いようだ。現地調査や用地交渉、補助金申請書類の作成などなど。これらに加えて、通常業務もこなさなければいけない。冬相応の寒さが身に染みる外温とは対照的に、役場庁内は熱気に包まれている


▼ある自治体の首長とじっくり話す機会があった。これまでは早急な対応を要望する立場(外側)であったが、行政(内側)の中に身を置き印象が一変。職員が精一杯対応している実情を目の当たりにしたと言う。今思い返すと、この言葉からは教訓が隠されているように感じる


▼復旧事業に限った話ではないが、要望時には早期という言葉をよく耳にする。空き屋の活用然り、遊休農地の活用然り。実際には所有者の意向や諸手続きなど、活用するにも障壁は少なくない。外と内ではものごとの見え方が違う。早期を要望する側と対応する側。それぞれの立場における外と内を理解することが重要なのだろう


▼何事も内側を理解するためには能動的に動いてみるしかない。食わず嫌いを一例に、悪いイメージの先行で、実は美味しいものだと気づいていないことがあるかもしれない。働き方改革では週休2日制度の導入が進むが、まだまだ発注側が予想する実績数には到達していないようだ。この制度が全域に浸透し、担い手不足の解消の一助になればと期待している。(山梨・HI)


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