コラム

2020/10/03

ラーメンで温故知新(茨城・YK)

ラーメンで温故知新  


▼今や日本人にとって国民食と言えるラーメン。「中華そば」や 「支那そば」とも表記されるが、呼び方が違うだけで料理は同じものである。テレビでも取り上げられることが多いので、ふとラーメンの歴史を知りたくなり自分なりに調べてみた


▼日本で最初にラーメンを食べた人物は徳川光圀とのこと。「この紋所が目に入らぬか」とテレビで見たことがある方も多いのではないか。時代劇「水戸黄門」の主人公である


▼1665年に光圀が、明国の儒学者・朱舜水(しゅしゅんすい)を水戸藩へ招いたときに中国の麺を紹介された。当時のラーメンは、小麦粉とレンコンの粉で作った麺にいろいろな粉をかけたうどんのような汁麺とされている。麺に合わせるスープのだしは豚のもも肉から取り、具材にもこれを添えた。水戸徳川家の資料には中国由来の薬味である、ニラ、ラッキョウ、ネギ、ニンニク、ショウガの「五辛」を添えたとある。その後97年6月16日に光圀が、朱舜水から伝授された麺を家臣に振る舞った。この中華麺こそが、現在でいうところのラーメンの元祖だ


▼江戸時代のラーメンは、今で言う薬膳料理に近かったようだ。健康志向が高まっている昨今。人気が出るような気がする。水戸市には以前、この元祖ラーメンの「水戸藩ラーメン」が食べられるお店があった。本にも掲載されたことがあり、人気を博していたが、残念ながら閉店してしまった


▼温故知新という言葉がある。昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。ラーメンに思いをはせながら、温故知新の大切さをあらためて学んだ。(茨城・YK)


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