コラム

2020/10/10

前例にとらわれず(群馬・KO)

前例にとらわれず


▼取材時に「今まで情報をお出ししたことがございませんので」「初めてそのようなお話をいただきまして」と断られ、取材が進まないことがある。取材以外でもさまざまな場面で過去にやったことがないという理由で断られてしまうことも。今までにやったことがないからという理由で断られると、それは理由になっているのかとたびたび疑問に思う


▼9月16日に菅内閣が発足。最優先課題に新型コロナウイルス感染症対策を掲げた上で、率先して縦割り行政や前例主義の打破に取り組むとの意向を示した。早速、河野太郎行政改革・規制改革担当大臣が動きを見せている


▼河野大臣は縦割り行政の弊害に関する情報を集めるため、行政改革目安箱を自身のホームページ上に設置。予想をはるかに上回る意見が投稿され、現在は受け付けを停止するほど。国民の高い関心があることがうかがえる


▼前例主義にこだわる人の理由も分かる。似たようなことをしていれば、失敗は起きにくく、誰かから責められる心配も無くなる。特に行政組織は縦割りな場合も多く、一つのことを検討するにしても、多くの時間を要してしまうのであれば、波風を立てずに前例にのっとっておくのが得策だろう


▼前例に異論を唱えれば「今までやってきたことを変えて問題が生じたらどうするんだ」「誰が責任を取るんですか」という意見が出ることがある。このような言葉は誰にでも簡単に言える言葉ではあるが、過去以上の成果は上げられない。国のリーダーが変わった今、前例主義にこだわってしまう人は少しでも建設的な議論に取り組んでみてはどうか。(群馬・KO)


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