コラム

2020/10/20

再開と再会を信じて(東京・KK)

再開と再会を信じて


▼あるはずの店がない。確か数カ月前には営業していた店舗のシャッターが閉まっている。閉店のお知らせの張り紙がある場合もあれば、解体工事に入ったばかりの店も。中には既に解体工事が終わり、青空駐車場に様変わりしたところもあった。いずれも都内では有名だった飲食店の話である


▼テレビのニュースで閉店を知り、最後の行列に並んだ人々をうらやましいと思っても後の祭り。もう二度と訪れることはできない。好きだったあの料理を味わうこともできない。同じような思いをした人は、相当いるのではないだろうか


▼国土交通省は、日立東大ラボと共同で「新型コロナ流行前」「緊急事態宣言中」「宣言解除後」の3時点で日常的な行動や意識がどのように変化したのかを探る全国アンケート調査を8月に実施した。その結果、新型コロナ流行前と比較して宣言解除後の外出先は自宅周辺が増加。コミュニケーションが必要な活動は、リモートよりも対面志向にあることが分かった


▼コロナ禍にあって外食する機会がめっきり減った。同じものは出前を頼んだり、テークアウトをすれば食べることはできる。だが何かが違う。お店の雰囲気や接客サービス、食事中の会話の有無など、さまざまな要因があるのだろう。顔なじみの店主や店員と会って話ができないことも理由かもしれない


▼何度も通った飲食店の中には、店舗を集約して再出発を図るべく準備を進めているところがある。新しく再開した店舗で、お店の人に再会できる日が待ち遠しい。もちろん感染防止対策を心掛け、ルールを守って楽しむことは言うまでもない。(東京・KK)


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