コラム

2021/04/14

百聞は一見に如かず(茨城・RN)

百聞は一見に如かず


▼燃え上がるように紅葉したアラスカの草原を映す1枚の写真。撮影者は星野道夫氏。解説には「色のオーケストラ」とある。日本の紅葉とは少し違う趣の景色に目が釘付けになった。星野氏の随筆は国語の教科書によく採択されており、自然や動物の写真も見たことがあった。しかし、そのアラスカの秋の風景は中学生の自分に強く印象を残した


▼写真は難しい。普段は専らスマートフォンで食事や猫の写真を撮るばかり。仕事で撮影するのは主に業界団体の総会や新年会、研修会などの取材や発注記事と一緒に掲載する現地写真、インタビューや対談。特に難易度が高いのは動いている人の写真を撮る時だ


▼目をつぶったり、ぶれてしまったりするものはもちろん使えない。堂々と話している様子が分かる姿勢や表情を切り取るのに苦戦している。「新聞に載った写真を見てどう思うかな」と心配になる。人を撮るのは難しい。だからこそ面白いとも言える


▼カメラ越しに見ると、皆良い顔をしている。その人なりの人生を背負ってきたのが表れている。その魅力を写真に表現できれば…と祈るような思いでシャッターを切る。インタビューで撮影に専念している場合は100枚以上撮っていることもある。その中で使えるものはほんの数枚だとしても、一瞬を見逃さないようにカメラを構える


▼何回説明されても分からなかったのに、図面や写真を見せてもらったらすぐに理解できたことがある。新聞記事においては、文章で分かりやすく伝えられることがまず第一。しかし読む人の理解の一助となるように写真の技術も磨いていきたい。(茨城・RN)


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