コラム

2021/06/02

あしき慣習の断絶を願う(群馬・KO)

あしき慣習の断絶を願う


▼2018年5月に公開された映画「狐狼の血」。広島の架空都市・呉原を舞台に、刑事と暴力組織の刺激的な争いを描く。柚月裕子氏の小説を、役所広司、松坂桃李らが出演し、映画化。第42回アカデミー賞など数々の映画賞を獲得した


▼メガホンを持つのは白石和彌監督。続編でも引き続き監督を務め、すでに撮影を終えている。続編の公開は8月20日を予定。撮影ではある取り組みを始めたことが話題となった


▼行ったのは撮影前のリスペクトトレーニング。ネットフリックスなど海外企業が制作する作品ではすでに実施されているが、日本映画というくくりでは初めて。約1時間にわたり撮影現場に携わる演者やスタッフがパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントの定義を学ぶ。職場のハラスメント対策などを手掛けるピースマインドが担当し、これはハラスメントになり得るかなどの積極的な意見交換を行う


▼表現の現場調査団によると、表現に関わる活動や仕事をする人の過去10年以内のハラスメント経験は回答者の1449人中、1195人の約8割が受けたと答えた。白石監督も上下関係が色濃く残る業界でもあるという問題点に触れつつ「当たり前に尊敬される職場、自慢できる職場であってほしい」と映画界の変革を求めている


▼何気なく発した一言が、嫌だなと感じたらハラスメントとなる。映画界の変革が求められるのであれば、建設業界も同じ。3K(きつい・汚い・危険)の一つとされる、きついはハラスメントを指すのだろう。3Kを死語とし、新3K(給料・休日・希望)への取り組みが進んでいってほしい。(群馬・KO)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら