コラム

2021/06/10

真夏の研修会の夢(茨城・RN)

真夏の研修会の夢


▼「きょう参加している皆さんは夢見心地ですね」―。暑い盛りに開かれた現場技術者対象の研修会でこんな話になった。研修中に寝てしまっているということかな、と思ったが違った。この時期うだるような暑さの中で働いている人たちが、きょうは冷房の効いた快適な室内で一日過ごしている。その落差を表現していたのだった


▼近年、夏の暑さは常軌を逸していると言っていいだろう。数分間外に出て歩くだけで汗が噴き出る。炎天下では日傘や帽子は必須だろう。真夏の頃は早朝や夜でも日中の熱気が残っていて、涼しい瞬間が無い。車に乗ると熱気がこもり、すさまじい暑さになっている


▼何よりも心配なのは現場で働く人々の健康。かつては夏と言えばパーッと外に出て活動的に過ごす季節だったと思うのだが、最近ではとにかく熱中症に気を付けて過ごさなくてはならない期間になった。現場管理費補正などで自治体も熱中症対策を支援している


▼休憩や水分補給で体調を整える以外に、空調服など新しい技術による対策もできるようになっている。とはいえ、やはり真夏の屋外作業が大変なのには変わりない。新型コロナウイルス感染症によって医療が逼迫(ひっぱく)している中、熱中症で倒れた場合の受け入れ体制を不安に思う人も多いのではないだろうか


▼研修を受けた参加者たちは、翌日からはまたそれぞれの職場に戻っていく。夢見心地の時間はあっという間だっただろう。厳しい天候の中、外で働いている人には本当に頭が下がる。これから徐々に暑さが厳しい時期に入ってくる。体調管理に気を付けて、この夏もどうかご安全に。(茨城・RN)


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