交通誘導員「必要経費不足」9割(群建協がアンケート)
研究会で改善策検討


 交通誘導員への必要経費が不足と感じている企業が9割以上に上ることがわかった。これは、群馬県建設業協会が支部会員を含めた会員企業277者を対象に行った公共工事労務単価(交通誘導員)に関するアンケートの結果で明らかとなったもので有効回答は200者。すべての発注機関(国、県、市町村など)共通の回答で、予定価格の90%以上の落札率の工事が対象となっている。同協会ではこのアンケート結果を踏まえ、現在、改善策などを模索する研究会を立ち上げ検討を進めている。
 
 質問は「交通誘導員の費用面で必要経費が足りないときがあるか」、「必要経費が足りない理由としてどのようなことが挙げられるか」、「公共事業労務費調査にて警備業者に支払う管理費用を管理費に含まず回答しているケースがある。警備料金試算例に記載されている費用を管理費に記載したかどうか」−など。
 「交通誘導員の費用面で必要経費が足りないときがあるか」では「ほぼ毎回ある」が182者と全体の91%を占めた。9割以上の企業が、ほぼ毎日必要経費が不足していると回答。経費不足が長年にわたり常態化していることがわかる。
 「必要経費が足りない理由としてどのようなことが挙げられるか」では「積算の内訳で、交通誘導員に支払う費用だけが計上されており、委託している警備業者に支払う管理費用が含まれていないため」との回答が173者ともっとも多く、次いで「安全管理上、現場で必要と考えられる誘導員などが設計段階で少ないにもかかわらず、増員が認められないため、やむを得ず自社判断で増員したため」の127者、「交通管理者(警察)との協議で、誘導員の増員が必要と判断された場合でも、変更費用が認められなかったため」の54者、「発注者の都合によって工期を延長したが、経費を認めてもらえなかった」の13者と続く(複数回答可としたため、回答者数とは一致しない)。
 「公共事業労務費調査にて警備業者に支払う管理費用を管理費に含まず回答しているケースがある。警備料金試算例に記載されている費用を管理費に記載したかどうか」の質問については、「管理費を含まず回答した」と過半数が回答(過去5年程度で調査対象となった企業のみ回答)。このうち「管理費を含むことを知らなかった」が22者、「記載する項目や管理費の内訳がわからなかった」も22者と、合わせて9割を超える業者が内訳や割合を知らずに回答していることがわかった。
 群馬県警備業協会が公表している、交通誘導員の労務単価とそれ以外の管理費については、労務単価が49%、それ以外の管理費が51%となっており、労務単価以上に管理費が必要となっているにもかかわらず、この管理費の存在を知らないか、内訳や割合を知らず、どのように回答して良いかわからないという意見が多かったということが浮き彫りとなった。ただ、労務費調査において、労務単価は委託先から交通誘導員に支払われる額であるため、元請先である建設業者からは「回答する立場にない」とする意見もあったという。
 交通誘導員の単価は、ほかの作業員の単価に比べ極端に低いことが国土交通省が公表している単価一覧によっても明らかだが、それ以上に警備業者に支払うために必要な諸経費の差額とその考え方に建設業者としても認識に大きな違いがあることが今回の結果ではっきりした。しかし、こうした差に対して同省の単価公表資料によると「例えば、交通誘導員A、Bの単価については警備会社に必要な諸経費(現場管理費および一般管理費)は含まれていない」と記載されているのみで、その内訳に関しては掲載されていない。企業によっては自社積算において管理費をまったく計上せず7700円の単価(交通誘導員B)のみを計上し、内訳がわからぬまま警備会社に支払う差額まで支払っているケースも多いという。また、ある企業では、ユニットプライス積算方式における交通誘導員費用の積み上げや一般的な管理費として交通誘導員分も計上したにもかかわらず、警備会社に実際支払う額には1人あたり1000〜4000円程度の差額があり、いずれにしても経費が足りないという結果となっている。いずれにしても、交通誘導員を使用すればするほど赤字になり、建設業者にとって非常に苦しい状況にあることが見て取れる。
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この情報は「群馬建設新聞」2009年3月18日付紙面に掲載されました。

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