交通誘導員積算単価全額独立計上を(群建協)
国交省に改善案要望
実勢価格反映へ協会動く
交通誘導員の積算単価で群建協が国へ改善案を−。群馬県建設業協会(小島秀薫会長)は2日、全国的に問題となっている公共工事における交通誘導員の積算単価に関する改善案を国土交通省へ提案した。改善のポイントは、工事費の内訳の中で、警備会社へ支払う日当と管理費を含めた全額を本体工事と独立して計上させること。同省が公表している労務単価とは別に、警備会社へ支払うべき金額には、この単価に管理費を乗じて計上する経費が含まれているが、実際のところ、実勢価格に届いていないのが実情であり、各社は不足分を抱えている現状にある。今回の改善案が採用されれば、全国規模の重要施策となり、同協会発として非常に意義のある提案となるはずだ。
交通誘導員の積算単価については、同省が公表している「公共工事設計労務単価(基準額)」で、労働者に支払われる賃金が計上されている。昨年度における本県の単価は交通誘導員Aが1日あたり8200円、交通誘導員Bが同7700円で、先日公表された今年度の単価は、AおよびBそれぞれ200円アップとなったが、関東地方では20年度、21年度のA、Bともにワースト1位に甘んじている。
しかしながら、積算上の労務単価は警備会社から直接、交通誘導員に支払われる給料で、実際に警備会社へ支払う額は、本県の場合、実勢価格平均1万2000円〜1万3000円(同協会のアンケート結果による)となっており、警備会社に支払うべき単価以外の管理費が含まれている。交通誘導員の単価に対する管理費は、建設業者で単価に管理費の率を乗じて計上することになるのだが、それでも警備会社に支払う額には届いていないそうで、各社はその不足額(赤字分)を抱えているという(アンケート結果から)。
現在の工事費の内訳は、図1のような算出となっているが、同協会が提案する改善案は、警備会社へ支払う単価と管理費を含んだ全額を本体工事とは独立して計上する算出方法(図2)。
現在の算出方法も積算上、警備会社の経費が現場管理費と一般管理費の中に含まれる計算となっているが、現場管理費率および一般管理費率は、工事規模によって変動することとなる。例えば、道路改良工事における交通誘導員B1人あたりの経費を工事規模ごとに試算してみる。直接工事費1000万円規模のものを算出式に当てはめてみると、現場管理費率が29・1%、一般管理費率が13・2%となり、これらから経費を計算すると「交通誘導員B単価7700円+現場管理費2240円+1312円=1万1252円(税別)」となる。一方、直接工事費1億円規模の道路改良工事で算出式に当てはめると、現場管理費率が26・4%、一般管理費率が10・6%で、これらから同様に計算すると「交通誘導員B単価7700円+現場管理費2032円+一般管理費1031円=1万763円(税別)」となる。
これらは、設計価格に対しての落札率を100%で算出したわけだが、工事規模が大きければ大きいほど経費率が下がる計算となり、加えて、歩切りや落札率の諸要素、繁忙期での交通誘導員の委託費増などの場合を含めると、積算単価と実勢単価に2000円〜4000円程度の差が生じ、交通誘導員の延べ人数が増えれば増えるほど、建設業者の差額負担(持ち出し)が大きくなる。
さらに言えることは、交通誘導業務については警備業法上、委託業務であり、本来は警備会社が直接的に交通誘導員に指示することとなっているのだが、現場を管理し状況を把握しているのは結局のところ、建設業者であり、建設業者が警備会社に交通誘導員の依頼を行い、誘導員に対し現地で指導しているのが実態。だが、指導や安全教育にも費用がかかるわけであり、これらの赤字分を背負ってしまっては、建設業者にその費用を負担できる力は残されてはいない。
同協会では3月、会員企業277者を対象に実施した交通誘導員の単価に関するアンケート結果を公表した(有効回答200者)。その結果「必要経費は足りているか」との問いに9割以上が「ほぼ毎回足りない」と回答した。これを見ただけでも、抜本的な改正が望まれていることは確かのようだ。
この改善案は、同協会に設置された研究会で検討され、メンバーには青柳会長代行(沼田土建)をはじめ、高坂明夫氏(宮下工業)や塩原聡氏(塩原建設)、水出栄治氏(池原工業)、蛭間享一氏(原工業)、角田清氏(沼田土建)らが名を連ねている。青柳会長代行は「交通誘導員の単価の問題は、全国的な問題である。この問題を提起し、群馬県建設業協会から制度を変えるきっかけとなれば、非常に画期的なこと」と本紙にコメントした。
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この情報は「群馬建設新聞」の2009年4月3日付紙面に掲載されました。
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