国土交通省 吉田光市大臣官房長インタビュー「現場力を磨き上げ強化」
国土交通省の吉田光市大臣官房長は建設専門紙の共同インタビューに応じ、「国交省が持つ現場力は、わが国の財産。これを磨き上げて、現場力をより強化していく取り組みを行っていきたい」と就任の抱負を語った。また、大臣官房は各局の行政を後方支援する役割を担うため、「しっかりと黒子役に徹して汗をかいていきたい」と述べた。
関係業界の現場力の重要性も指摘し、「公共投資が厳しい中で人と資機材を抱えて体制を維持していくことは難しい時代が来ている。官民の役割分担も見直す必要がある。これまでも震災復興の現場ではPPPやCMが採用され、ECIの取り組みも出てきた。新しい官民のパートナーシップという流れも頭の中に据えながら、官民の現場力を維持・向上させていく」との見通しを示した。
来年度予算編成の概算要求を控え、注目される公共事業予算の確保については、「公共事業の減少傾向に歯止めがかかっているが、安定的な流れを確保することが最大の課題。ここ数年築いてきた実績を確かなものにしていくことに尽きる。一方で依然として公共事業に対する厳しい目があるので、ストック効果を含めて、しっかりと世の中に訴えながら必要な予算を確保していきたい」と意欲をみせる。現在検討が進む経済対策に関しては、「アベノミクスがより定着し、加速していけるように国交省関連の予算を確保したい」と話す。
大臣官房長は中央公契連会長の立場もある。今後の公共工事発注者間の連携について、「改正品確法の理念を全発注者の発注実務に落とし込んでいくことが重要だと思う。ここ1、2年は(発注や施工時期の)平準化にも取り組んでおり、生産性を向上させる上でも大変重要なこと。平準化も一つの発注者だけではなくて複数の発注者が連携して行えば、一層効果も高まる」とし、連携をより強化していく意向だ。
【略歴】よしだ・こういち
1982年東大経済学部卒、建設省採用。国交省大臣官房総務課長、道路局次長、大臣官房建設流通政策審議官、復興庁統括官を経て本年6月21日から現職。1958年10月生まれの57歳。山形県出身。