国土交通省 奥田哲也鉄道局長インタビュー「鉄道システムを海外展開」
国土交通省の奥田哲也鉄道局長は建設専門紙の就任インタビューで「鉄道局は3回目の勤務となる。当時は夢のような話だったリニア(中央新幹線)も工事が始まり、日本の鉄道システムを海外に売り込むようになったりと時代や情勢が変わり、課題も多様化している。局のスタッフに支えてもらいながら鉄道行政を推進していきたい」と抱負を語った。
交通政策審議会から答申された「東京圏における今後の都市鉄道のあり方」では羽田空港アクセス線の整備などが提言された。今後の対応について奥田局長は「経済のグローバル化が進むとともにアジアの経済が成長する中で、首都圏がアジアの拠点として発展していくためには玄関口である羽田と成田の鉄道アクセス改善が一つの重要な要素だと思っている。羽田空港アクセス線については事業計画の深度化を図ることが課題であり、まずは関係する地方公共団体や鉄道事業者で検討が進められると考えている」と話し、新空港線「蒲蒲線」の整備も含めて、国交省として必要な助言を行う考えを示す。
リニア中央新幹線の大阪延伸の前倒し開業への対応に関しては「長期低利固定の財政投融資を入れることで利払い分が減少するため、安倍総理が表明されたとおり、目標としては最大8年間短縮したい」とした。
また、日本のインフラシステムの海外展開について「日本再興戦略を支える重要な施策の一つ。国交省では、わが国の鉄道システムの海外展開を精力的に推進していきたい」との姿勢をみせる。
【略歴】おくだ・てつや
1984年東大法学部卒、運輸省採用。国交省大臣官房参事官(人事担当)、大臣官房人事課長、航空局航空ネットワーク部長、大臣官房総括審議官を経て本年6月21日から現職。1961年9月生まれ。54歳。福岡県出身。