国土交通省大宮国道事務所 埼玉県道路メンテナンス会議の大儀健一会長インタビュー(橋梁特集)
埼玉県道路メンテナンス会議の大儀健一会長(大宮国道事務所長)にインタビューを行い、国の取り組み状況や見通しを聞いた。課題の解決は行政だけでは難しいことから、学識経験者、建設関連団体や民間企業の産学官が一緒になって議論を進めていきたいとの方針を示した。
2014年度に設置したメンテナンス会議のこれまでの主な取り組みとして▽地域一括発注▽技術講習会(橋梁点検)▽合同点検(橋梁)▽プロセスの妥当性確認・点検診断のアドバイス▽判定会議の傍聴――がある。
大儀会長は「自治体によって技術系職員数や財政状況が異なり、それぞれの実情に即した支援が必要となっていることが明らかとなった」とし「技術力と財政力によりグループ分けを行い、的確な支援を検討・実施していくことにした」と状況を述べた。
自治体によって異なる環境に対応するため、今年度から地域支援チームを創設し①新技術活用ワーキンググループ(WG)②診断支援WG③補修支援WG――を設置して支援体制を整えていく。
11月6日には新技術活用WGを開催。近接目視を補完・充実するポールカメラなどの先端技術やノウハウを持つ企業も含めて、点検の効率化を目指して現場試行および意見交換を行った。引き続き状況が整い次第、各WGを開き、悩みやニーズを把握。埼玉大学レジリエント社会研究センターを中心とした学識経験者、埼玉県建設コンサルタント技術研修協会や民間企業との産学官連携により課題解決を目指す。
今後の見通しとして「これから老朽化する橋梁は全国で増えていく。各自治体の置かれている状況は厳しいことから、メンテナンス会議などを通じ技術力の向上や点検体制の充実に向けて効率的・効果的な支援を実施していきたい。その際には有用な新技術の活用など、自治体ニーズに応じたきめ細やかな対応が大切である」との見解を明らかにした。