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高機能化へ地区計画/千葉大学 亥鼻キャンパス/PFIで医学系総合研究棟

2017/03/13 日刊建設タイムズ

 千葉都市計画「千葉大学亥鼻キャンパス地区地区計画」の決定に係る素案の説明会が今月25日、千葉中央コミュニティセンターで開かれる。同大学では、亥鼻キャンパス高機能化構想を掲げ、今後、高度な教育・研究機能の導入による土地の高度利用を図る考えでいることから、地区計画を導入し、良好な環境を保全するとともに、適切な土地利用を誘導する。同キャンパス高機能化構想では、その一環としてPFI事業による医学系総合研究棟の建設が延べ約4万㎡規模で計画されている。これについては来月にも実施方針が示され、夏ごろに入札手続きが開始される見通しになっている。

 同地区計画の面積は、約26・4ha(中央区亥鼻1丁目及び矢作町の各一部)。大学の教育・研究施設・医療施設等が、緑豊かな自然環境の中に立地している。

 地区計画では、地区の中央及び西側を「大学地区」(A約11・1ha、B約3・1ha)として、大学の教育・研究施設の集約化と高度利用を図る区域とするほか、地区の北側及び西側の外周部は大学の教育・研究施設を主体として、低層・中層の建物を配置する。

 また、大学の正門から東西を結ぶ地区の南側外周部は「地域交流地区」(約1・5ha)として、学内及び地域との交流を促進するなど、大学の地域開放施設を主体として低層の建物を配置。

 このほか、地区の北側の一部は「風致保全地区」(約0・9ha)として基本的に緑地を保全。地区の東側は「病院地区」(約9・7ha)とし、大学の病院施設の集約化と高度利用を図る区域とする。

 こうした土地利用に関する方針に基づき、①建築物等の用途の制限②壁面の位置の制限③建築物等の高さの最高限度④建築物等の形態または色彩その他の意匠の制限を設ける。

 建築物の高さの最高限度については、大学地区を50m及び15m(B)、地域交流地区を10m、風致保全地区を10mとする。

 亥鼻キャンパス高機能化構想は、老朽化する既存の建物を順次更新するのにあわせて高度な教育・研究機能の充実を図ることで、同キャンパス全体で「医療学」拠点の創出を目指すもの。

 PFI事業で計画さている医学系総合研究棟は、S造(CFT柱)11階建て、延べ約4万130㎡規模を想定。実施方針公表後、特定事業の選定を経て8月ごろに入札手続きに入り、年明け1月ごろに落札者を決める予定。本年度は、アドバイザリー業務等を含むコンサルタント業務を佐藤総合計画に委託している。

 同施設は、大半が医学部系のスペースとなるが、一部外部にも貸し出すプロジェクトラボスペース等も設ける計画。こうしたライフイノベーションと産学の連携を目指した研究の企画・戦略等をコーディネートする体制として、千葉大学未来医療教育研究機構を立ち上げており、次世代医療人の育成にも力を注ぐことにしている。

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