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長野県建設部建設政策課技術管理室

委託「半数」総合評価で、くじ引き発生の抑制へ

2017/06/16 長野建設新聞

 県技術管理室は、落札候補者決定のくじ引き率が高い委託業務について、6月14日以降の公告案件のうち半数で総合評価落札方式(簡易Ⅱ型)を試行する。対象は建設工事に係る委託業務だが、くじ引き率の低い建築コンサルタント業務は除く。13日の県契約審議会で了承され、14日に取り組みを公表した。

 総合評価落札方式(簡易Ⅱ型)の適用は、小規模事業者の受注機会確保に配慮したもの。業務成績、手持ち業務量、地域要件のみを評価する。

 評価点は業務成績(過去2年間の平均点)0.0~2.0、管理技術者等手持ち業務量-2.0~0.0、地域要件0.0~2.0。価格以外の評価点は-2.0~4.0で、価格点は96.0となる(詳細は右表参照)。

 委託業務におけるくじ引き発生(2016年度)は全体の55%で発生。受注希望型では計1070件のうち65%の697件、総合評価では計301件のうち23%の68件で発生している。業種別では、建築コンサルタントは4%と低いが、ほかは測量72%、補償コンサルタント70%、建設コンサルタント59%、地質調査52%と高い。なお工事におけるくじ引き発生率は土木22%、とび土工28%、舗装50%。

 くじ引きが多く発生している原因について、県技術管理室の猿田吉秀室長は審議会で「見積もりの透明性向上により、高い精度で予定価格が推定しやすくなっている。このため失格基準価格上限値付近の同額入札が増えているとみられる」と述べている。


●「急であり、乱暴すぎる」

 委託業務の半数で総合評価を実施する試行が14日にスタートしたことについて、同日に開催された優良技術者表彰の説明会で参加者から不満が出た。質疑応答で手を挙げた参加者は、説明会とは関係ないと承知しつつ「きょう突然に取り組みが始まった。急であり、乱暴すぎる」と憤慨し、技術管理室職員に説明会の有無を確認した。説明会は現段階では予定されていない。

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