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茨城県小美玉市

小美玉市が市医療センター民間移譲/議決後8月にも提案公募

2017/06/17 日本工業経済新聞(茨城版)

 小美玉市は、老朽化が進む市医療センター(中延651―2、80床)について、民間移譲する方針を固めた。6月議会へ市医療センター経営改革提案選考委員会の設置などに関する条例についての議案を提出しており、承認が得られれば委員会を速やかに立ち上げる。早ければ8月ごろにも提案の公募を開始する。提案内容によっては、将来的に全面あるいは一部建て替えやが行われることになる。

 市医療センターは、救急告示・労災指定・鉾田地域病院群輪番制病院として周辺の地域の医療を支えてきた。2008年度から指定管理者制度を導入しており、現在の指定管理者は水戸中央病院などを運営する医療法人財団古宿会。

 建物の規模は、RC造3階(一部4階)建て4619㎡。1972年に本館(2003㎡)が建築され、87年に新館(2616㎡)が増築された。敷地面積は1万4724・43㎡(民地3381㎡含む)。

 本館は耐用年数(39年)を経過しており、2011年度に耐震診断を実施したところ、Is値の最も低い箇所は0・441で、地震の振動および衝撃に対して倒壊、崩壊する危険性があると判定された。

 また、設備の老朽化が進んでいるため、近い将来、本館部分の空調設備や雨漏り、病棟の排水管や医療ガスおよび吸引用設備などの改修が見込まれている。

 新館については、新耐震基準で建設されたが、耐用年数は残り10年を切っている。

 市がこのほど策定した市病院事業経営改革プランでは、施設の安全確保には建て替えが最良の方法としており、市議会が救急医療などの機能存続を条件に、民設民営の民間移譲による病院存続を求めていることなども踏まえ、民設民営により民間団体などへ移譲することにした。

 移譲に当たり、6月議会後に経営改革提案選考委員会を立ち上げる。その後、公募要領をまとめ、8月にも提案団体の公募を開始、早ければ年内にも提案団体を選定する。

 試算によると、本館部分の再整備費の総額は27億円を想定。内訳は、建築費21億5000万円、医療機器整備費5億円、既存建物解体費5000万円。

 全館建て替えの場合は総額は40億円(建築費33億7000万円、医療機器整備費5億円、解体費1億3000万円)を見込む。

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