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千葉県夷隅農業事務所

ため池大谷地区に着手/県夷隅農業事務所/4か年で大谷堰を改修/日本水工で実施設計

2017/10/19 日刊建設タイムズ

 県夷隅農業事務所は、本年度から県営ため池等整備事業の大谷地区(いすみ市)に事業着手する。事業期間は2020年度までの4か年で、事業費1億650万円(工事費8470万円)を投入し、いすみ市長志地先にある大谷堰の改修工事を実施する。大谷堰は面積が約0・7haで、貯水量が1万6100立方m。堤長は110・7m。受益面積は25・8ha(田)。

 本年度は、ため池改修実施設計、用地及び路線測量、土質調査などを実施。指名競争入札で委託業務を発注した。実施設計は日本水工コンサルタント(千葉事務所・千葉市中央区祐光4―10―10―103)に450万円(消費税抜き)で委託。工事に向けた数量を算定し、実施設計を行う。路線測量及び用地測量は伸一測量設計(茂原市本納2421―6)に545万円(同)で委託。堤体測量約150mや、用地測量、仮設道路の用地測量約200mなどを実施。土質調査は対馬基礎開発(千葉市中央区祐光4―26―5)に96万円(同)で委託。サウンディング調査3か所などを実施する。

 同ため池は1877年の築造とされ、築造から138年以上経過した老朽ため池。近年、下流法尻左岸及び右岸法面からの漏水が確認され、水位を下げて用水管理を行っている。また、堤体上流法面は土羽で、満水位近くで浸食が進行し、堤体の複数箇所でのパイピングによる漏水を確認。12年度に実施した調査では、耐震性の不足が指摘され、大規模地震時の決壊が懸念されている。このため早期の改修を行い、農業経営の安定化を図ることとした。

 施設は、堤体が傾斜遮水シート型ブロックマット、洪水吐が正面越流堰式、取水施設が斜樋ゲート式で底樋φ800mm、取水工φ200㎜、緊急放流工φ300㎜。主な工事内容と工事費は、堤体築堤工3948立方m(3610万円)、堤体護岸工(ブロックマット護岸)647㎡(1970万円)、洪水吐工16・80m(1050万円)、取水工14・10m(1840万円)など。

 堤体補強は、植生が可能な護岸工として上流側にブロックマットを設置し、下流側は安定性を確保する押さえ盛土を設け、中にドレーンを挿入。取水施設は斜樋ゲート式とし、取水孔+緊急放流工を設置し、底樋ゲートも鋼製ゲートを新設。導水は現況隧道を利用。洪水吐は越竜堰として水理効果を高めた構造で現右岸位置に新設する。

 年度別事業計画は▽17年度(1760万円)=測量試験費一式1410万円、用地買収補償費一式270万円▽18年度(110万円)=洪水吐工16・80m(1050万円)▽19年度(5710万円)=堤体築堤工3948立方m(3610万円)、取水工L14・10m(1840万円)▽20年度(2070万円)=堤体護岸工A647㎡(1970万円)。

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