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茨城県小美玉市

古宿会と明風会が交渉権/医療センター移譲/両者とも全館建て替え提案

2017/12/02 日本工業経済新聞(茨城版)

 市医療センターは、2008年度から指定管理者制度を導入。現在の指定管理者は、水戸中央病院などを運営する古宿会。

 建物の規模は、RC造3階(一部4階)建て、床面積4619㎡。1972年に本館(2003㎡)が建築され、87年に新館(2616㎡)を増築。このほか、74年建築の管理棟(RC造2階建て、568・56㎡、倉庫、車庫などがある。敷地面積は1万4724・43㎡(民地3381㎡含む)。

 建設から約45年が経過しており、耐震診断の結果、Is値の最も低い箇所は0・441と判定された。設備も老朽化が進み、近い将来、本館部分の空調設備や雨漏り、病棟の排水管や医療ガスおよび吸引用設備などの改修が見込まれていることから、市は民間への移譲を決め、公募により移譲団体の候補者を選定することにした。

 9日に応募3団体によるプレゼンテーションが行われ、13日、市医療センター経営改革提案選考委員会(飯島利武委員長)が交渉権獲得者を選考。1位に古宿会(2035点)、2位に久保田病院などを運営する明風会(1960点)、3位に医療法人仁愛会(日立市、1700点)を選定した。医療取組内容や運営支援(補助金等)の総合的な評価を行った結果、1位と2位が僅差であるため、両者と交渉することを求める報告書をまとめた。

 移譲の主な条件は、①現在地で病院を経営すること②現在保有する病床を有効に活用すること③救急医療に取り組むこと―など。

 土地は無償貸付(一部民地借上地有り。本年度買上げ予定)、建物(防災倉庫などを除く)および医療機器などは無償譲渡。病院再構築などに対する支援(補助金等)も想定している。

 試算によると、全館建て替えの場合、総額は40億円(建築費33億7000万円、医療機器整備費5億円、解体費1億3000万円)を見込む。

 本館部分の再整備費の総額は約27億円。内訳は、建築費21億5000万円、医療機器整備費5億円、既存建物解体費5000万円。

 市は30日、公募の結果を議会に報告。今後、両者と交渉を進める。両者とも交渉が成立する場合は、選考委員会による順位を優先する。

 できるだけ早く、可能であれば当初の予定通り年内にも一本化したい考えで、2020年度の移譲を目指すが、ずれ込む可能性もありそうだ。


 【図=配置図】

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