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茨城県が政策ビジョンまとめる/県民が日本一幸せな県へ/広域幹線道路整備など

2017/12/28 日本工業経済新聞(茨城版)

 県は新たな総合計画策定に先駆け、このほど「新しい茨城づくり政策ビジョン」をまとめた。社会資本整備・活用関連の施策の方向性として、広域的な幹線道路や茨城港・鹿島港の防波堤、岸壁の整備推進、つくばエクスプレスおよび地下鉄8号線の県内延伸などを盛り込んだ。災害に強い県土づくりでは、ライフラインの耐震化・長寿命化や緊急輸送道路、治山治水施設の整備を推進する。

 政策ビジョンには、本県が持つ潜在力を最大限に活かし、全ての県民が豊かさを享受し、安心安全な生活環境のもと、未来を担う人財が育まれ、夢・希望に溢れた茨城を実現していくため、これから取り組むべき政策の方向性を示している。

 基本理念は「活力があり、県民が日本一幸せな県」。

 政策の基本方向として、新しい4つのチャレンジ(①新しい豊かさ②新しい安心安全③新しい人財育成④新しい夢・希望)を推進し、新たな発想による思い切った施策を展開する。

 今後、本ビジョンを踏まえ、来年9月をめどに、より具体的な施策や地域のグランドデザインを含めた新たな総合計画を策定する。

 このうち「新しい夢・希望へのチャレンジ」では、発展を支える社会資本の整備と住み続けたくなるまちづくりに向け、社会資本の整備・活用に関する4項目を提示。

 都市地域間のネットワーク強化、観光などへのアクセス強化のため、広域的な幹線道路の整備を進める。

 また、県土の新たな発展基盤の整備に向けた取組として、国や沿線自治体などと連携しながらつくばエクスプレスおよび地下鉄8号線の県内延伸の検討を進める。

 茨城港や鹿島港においては、防波堤や岸壁などの整備を進めるとともに、港湾関連手続きの一元化などにより利便性を高め、ポートセールスも積極的に推進。茨城空港では、路線拡充や既存路線の一層の利用促進に努めるほか、航空貨物の取り扱いを促進する。

 まちづくり関係では、福祉・医療・商業などの都市機能の集約と地域間の連携(コンパクト+ネットワーク)を図るほか、買い物弱者対策や生活環境のバリアフリー化、ユニバーサルデザインなどの普及・推進を図る。

 さらに、市町村における地方創生の取り組みと連携し、歴史・伝統、芸術・文化、スポーツなど地域資源を生かした魅力ある地域づくりを進める。

 ビジット茨城~新観光創生~では、個人観光客などの受入体制の整備や外国クルーズ船の誘致、茨城空港の新規路線誘致、魅力的な道の駅の整備・活用などを推進する。

 「新しい安心安全へのチャレンジ」の災害に強い県土づくりでは、防災に関する施策の方向性として、公共インフラや公共建築物、上下水道施設などのライフラインの耐震化・長寿命化を図るとともに、緊急輸送道路の整備を進める。

 豪雨被害や土砂災害、津波・高潮などによる災害の防止・軽減に向けては、治山治水施設の整備のほか、土砂災害警戒区域の見直しなどのソフト対策も実施していく。

 また、安心して暮らせる社会づくりとして、警察基盤の強化や警察施設の計画的な整備、通学路や交差点などの交通危険箇所に対する安全施設などの重点的整備、道路の適切な管理などに努める。

 上下水道施設の老朽化対策や水質管理の強化なども推進する。

 「新しい豊かさへのチャレンジ」では、強い農林水産業の実現に向け、ICTを活用した新技術の導入、水田や畑の基盤整備、集積・集約化による生産性の向上、ブランド化や6次産業化などにより付加価値を向上により、儲かる農業を実現する。

 水産業については、漁港・地方港湾などの生産基盤の整備を推進し、生産性の向上や所得増大に向けた取り組みを進め、成長産業化を図る。

 かけがえのない自然環境の保全・再生に向けては、湖沼の水質を改善するため、生活排水対策や農地・畜産対策などを推進。特に霞ヶ浦については、昭和40年代前半の泳げる霞ヶ浦を目指す。防砂・防風林の育成や森林の整備、大気環境や河川等の水環境、生物多様性の保全など、身近な自然環境の保全を推進する。

 「新しい人財育成へのチャレンジ」のうち、日本一、子どもを生み育てやすい県の実現に向けては、安心して妊娠・出産などができる環境を整備するとともに、医療体制整備や子育て支援拠点づくり、認定こども園・保育所などの整備を進める。

 学び・文化・スポーツに親しむ環境づくりでは、地域スポーツにおける指導力の向上、生涯にわたりスポーツに親しむことのできる環境の整備、老朽化した施設の改築・長寿命化に努めるとともに「する・見る・支える」スポーツを支援する。

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